「ちゃんとやらせる」ではなく、
「ちゃんと気づかせる」
私が、幼児体育指導員駆け出しの頃、
安田式体育研修会 講師の居関先生から教わった言葉です。
現在、複数の保育園や認定こども園に伺っていますが、
ちゃんとやらせようとするスタイルが目立ちます。
補足しますと、ちゃんとやらせることがすべて悪いわけではなく、
安全を確保する場合、身に危険を及ぼす場合においては、
先生主導で、やらせるスタンスは必要だと思います。
これとは逆に、必要以上に先生の一方通行で、
こうしなさい、ああしなさいというスタンスが、
子ども達にとって果たしてよいことなのだろうかと疑問に思うところです。
訪問先の保育士のベテラン先生からこんな話を聞いたことがあります。
「以前は、私がちゃんとやらせようとばかりしていたから、
子ども達が、自分で考えて動くことをしなかったんです。
自分で考えず、先生これどうするん?先生、これできない。
そんな言葉がよくありました。
そんな経験から、今は、どうしたらいいと思うとか、
どうしてもわからない子どもには、一緒に考えようねとか。
そんな言葉をかけるようにしています。
そうしたら、どうするん?できない?の言葉がぐっと減って自分で考えて動く子が増えたんですよ!」
この先生のクラスの子どもたちは、
いつもイキイキしています!
次に、私の体操教室での一例を出しますと、
私、ちゃんと並ばせようとはしません。
はじめは、私の近くに集まってもらいます。
または、視覚的に分かりやすく地面にラインを引いて並んでもらいます。
でも、この形では互いにくっついていますから動きにくい。
そこで、
私 「みんなに聞くよ! 大きくぐるぐる腕を回すとどうなる?」
子ども「お友達に当たる!」
私 「だよね、じゃあ、どうしたらお友達に当たらずに大きく回せるかな?」
子ども「よってあげる、前(または後ろ)に動いてあげる!」
私 「それいいね!じゃあ今度教室するときには、その並びみんなでやってくれる。」
という流れで、子ども達とやり取りをしながら、
子ども達に考えさせ気づかせるようにしています。
ただ、2歳児、3歳児の子どもの場合は、こちらが主導していく必要があります。
少し時間はかかりますが、繰り返しやっていくと次第に慣れ上手に並んでくれるようになります。
ちゃんとやらせるアプローチ
ちゃんと気づかせるアプローチ
この比率を、少しずつちゃんと気づかせるに寄せていくと、
子ども達が自分で考え気づく力を身につけていくと思っています。
子ども達が自ら主体的に動くようになるまでには、多少いえだいぶ時間はかかるかもしれません。
多忙な中で、時間が限られていて、少しでも早く展開しないと
という気持ちがあるかと思います。
いきなりすべてを変えるのではなく、
ここからならできそう!
と小さなステップでいいので、
少しずつ取り組んでいくと、いい形になってくると思います。
ちゃんとやらせる! のではなく ちゃんと気づかせる!