体操教室、運動あそび教室、空手教室などの活動を通して、
子どもたちと関わる中で、よく耳にする言葉があります。
それは、「できない!」「分からん!」「やって!」 です。
私の経験からこの言葉が聞こえる時の様子として、
ちょっと難しく自分ではすぐできないと感じたとき
見た瞬間、ややこしそう、自分の苦手なものと思ったとき
少し手間がかかる作業のとき
はじめて体験するとき
などによく耳にしてきました。
さて、子どもからこの言葉が聞こえたとき
どのように対応するでしょうか?
「できない!」「分からん!」「やって!」
→ 「なんでできないの!こうしたらできるでしょ!ほらやってごらん」
→ 「分からんて、ちゃんと考えてやってごらん!」
→ 「やってって。 ほら、こうしてこうすればできるでしょ!」
⇒「なんでできないの!」の言葉って、怒られた+自分を否定されているように受け取ってしまうんです。
⇒「ちゃんと考えてやってごらん」と言われても、その考えての考え方が分からないから分からないんです。
⇒「こうしてこうすれば」って、簡単に言うけどそれが理解できないんです。
実は、幼少期に「できない!」「分からん!」「やって!」とよく言っていた私
それに対して、言われてきた言葉が → のセリフ
そのセリフを聞いて、⇒ のところが私の思っていたことです。
難しいと感じたことや苦手なことはやりたくない
めんどくさがりだから時間がかかる=手間がかかるのはキィー!ってなる
(今でも、折り紙とか特に鶴を折るのとかできません。)
はじめて体験することは、どうしていいか分からないからそこで思考が止まってしまう。
そんな幼少期の私でしたから、うちの親や学校の先生は大変だったと思います。
でも、そんな私に対して、
とことん向き合ってくれた先生がいました。
小学3年生の時に出会い4年生まで担任として関わってくれました。
その先生は、
私が「できない!」「分からん!」となったとき。
「ん?どこができん? どこが分からん? 先生と一緒に考えてみようか!」
と一緒になってその課題に向き合ってくれました。
そして、私が「こうしたらできるかも?」というと、
「よし!やってごらん、どうなるかな?」
それでも、なかなか解決につながらない私に、
「う~ん、いいとこまできたよな。じゃあ、こうしてみるのはどうかな、試してみる?」
と、答えを教えるのではなく、あくまでも私が自分で解決できるような言葉かけや促しをしてくれました。
時間はかかりながらも、なんとか解決できると、
「おーやったやん!できた!できた!」と、一緒になって喜んでくれました。
この時は、達成感、満足感で心が満たされたことを覚えています。
こうしていろんな課題を先生と一緒に取り組んだことは、
今も忘れない思い出となっています。
また、その思い出が元となり、
今、子ども達と関わる中での指導指針のひとつにもなっています。
自身の経験から、
「できない!」「分からん!」「やって!」の時は、
まだ経験がないからできないんだ、分からないんだ、やってっていうんだ
それであれば、その経験を一緒に寄り添って向き合っていけばクリアしていくはず。
クリアするまでの道のりは、子どもひとり一人いろんな道のりがあります。
その道のりを、一緒に楽しみながら遠足に行くかのように歩んで行けると最高ですね。
子どもから、「できない!」「分からん!」「やって!」が聞こえたら、
新しい経験ができるいい機会。 伸びるチャンスだね!
と思えるようになるといいかなって思います。