保育士の先生からこんな質問をいただきました。
「よくつまづいたり転んだりするお子さんに、何かいい方法(運動)はありませんか?」

 

こども 躓く ころぶ 対処

 

 

私の経験から、この質問の対象の子どもは、2歳児~3歳児クラスが比較的多いですね。

さて、この質問に対する私の答えを先にお伝えすると、
「特別な運動をさせる必要はありません。日頃の遊びの中でしっかり歩き、体全身を動かし遊ばせてください。」です。

って答えを伝えると保育士の先生もちょっと拍子抜けすることがありますが、
私の中では、これが一番おすすめの方法のひとつとしてお伝えしています。

なぜかというと、つまづいたり転んだりする原因ってひとつだけではないからです。
つまづく転ぶと聞くと、足の筋力が弱いから、バランス感覚が未発達だから
という項目がピックアップされると思いますが、
これだけじゃなくて、目の動き、体幹力、腕の使い方なども含まれています。

なので、子ども自身が動きたいように動き、体全身を使ってたっぷり遊ばせてください。
この時、あらゆる感覚器、神経系への刺激が入り心身諸機能の発達が促され、
基礎体力や身体能力が養われると同時に転倒回避能力も養われてきます。

子どもたちの成長を、あせらずじっくりゆっくり見てあげてください。
数か月もすると、「せんせい~!」ってタタタタッってかけって寄ってきてくれますよ!

でも、遊ぶだけでどうなんだろう?と気になる先生方へ

それでは、おすすめする動き(運動)として、「くまさん歩き、アヒルさん歩きをやってみてください。」
くまさんは、全身運動になります。 先に手を着いて動きますから転ぶ心配はありません。
アヒルさんは、足腰の力、バランス感覚を養うにはいい動きですし、
低位置で移動しますから転ぶこともそうありません。
リトミックの中でよく取り入れている先生方もいらっしゃいます。
ぜひ参考にしてみてください。

最後に、2つほど押さえておいてほしいことととして、

おそらく、基本事項として実施されていると思いますが、
遊ばせる際の環境の安全確認は必ず行ってくださいね。
ここは必須ですね。

それと、頻回につまづく転ぶお子さんに対しては、
感覚統合(※)の面で影響を受けている場合があります。
前述したように、しっかり遊ばせよう!だけでは問題解決が難しいです。
なので、専門的なアドバイスやサポートを受けながら遊びを工夫するなどして
対象のお子さんにあった介入の仕方を取り入れていく必要があります。
(※感覚統合とは・・・複数の感覚を整理したりまとめたりする脳の機能のことです。)